男子校・共学から女子高に移って、担任のやり方が通じなかった話

男子校・共学から女子高に移って、担任のやり方が通じなかった話 女子校の担任日記
※この記事は、僕自身の教員生活での体験をもとに書いています。

私立の共学校を経験してから、今の女子高に移って13年になります。担任として何かひとつの出来事でつまずいたというより、日々の積み重ねの中で、これまでのやり方がまったく通じないことに少しずつ気づいていきました。

この記事でわかること

  • 女子高に来て最初にぶつかった壁
  • 日誌をめぐって声を荒げてしまった出来事
  • 10年かけて自分の考え方が変わったこと
  • 今、実際に使っている言葉遣い
  • 今でも難しいと感じる生徒への対応
  • これから女子高に移る若手の先生に伝えたいこと

日誌の一言に、大人げなく声を荒げてしまった

今でも覚えているのは、生徒の日誌に「HRが長い」と書いてあったときのことです。大人げなく「正々堂々と面と向かって言え」と言ってしまいました。このときは声を荒げてしまっていたと思います。怖がっている生徒、反発する生徒、教室の中にはいろいろな表情がありました。

当時は良かれと思って、いろいろな自分の思いをしゃべってしまいました。今もそうかもしれませんが、独りよがりだったのだと思います。生徒本位ではなく、自分がしゃべりたいことをしゃべっていたのではないかと思います。

怒っているつもりがなくても、怒っていると思われる

そもそも、僕は頭に血が上りやすい性格です。赴任した当初、授業中や、副担任としてホームルームを担当していたときなど、自分としては怒るレベルではなく、注意のつもりで話していました。ところが、しゃべっているうちにどんどんテンションが上がってしまい、声が大きくなってしまう。そのとき、このレベルでも怒っていると受け止められてしまうのだと知りました。

担任として、というより先生としてではなく、女子高生への接し方そのものを、一から見直す必要がありました。伝え方や言葉の選び方は、経験を重ねるたびに、より慎重に考えるようになりました。

10年かけて、そもそも怒る必要がないことに気づいた

ここ2、3年、赴任してから数えるとおよそ10年たって、ようやく自分の考え方に変化がありました。そもそも怒る必要がないことに気がついたのです。怒るということは、何かしら自分の想い通りにいかなかったことへのいらだちなのだと思います。自分はもともと短気な性格だと認識していて、すぐにカチンときてしまっていました。まずは自分の感情を抑える練習を積んでいます。今でも日々修行だと思い、自己研鑽に勤しんでいます。

たとえば宿題の提出が期限を過ぎた場合、今までは「ありえない」と頭ごなしに怒っていました。気づいてからは、まず遅れた理由を聞きます。そのうえで、いつまでに提出できるのかを自分で申告させ、できるだけ早く提出するように圧力はかけつつ、その期限に責任を持たせるようにしています。声を荒げるのではなく、くどくどとお話をするようにしています。どんなことでも優しく対応していると自省できなくなるので、あえてくどくどと話をしています。それでも怒られたと思う生徒はいると思いますが、ビクビクする生徒は減ったのではないかと思います。

さらにここ数年は、言葉遣いを非常に意識するようになりました。僕は言霊を信じています。自分の発した言葉で自分の思考が作られる。51年生きてきて、それを強く実感しています。だから、とにかくポジティブな言葉を使うように常に心がけています。

今、実際に使っている言葉

生徒のことは必ず「〇〇さん」と呼ぶようになりました。何事に対しても、上から押さえつけるのではなく、お願いする意識で伝えています。指示を出すときも、生徒が納得できるように、できる限り根拠も一緒に伝えるようにしています。「お願いします」「〜してください」「協力してください」といったフレーズを使うように心がけています。いろいろなことを可能な限り事前に伝え、その行動をするためにはどう段取りをすればいいか、生徒自身に考えてほしいと思っています。

それでも今、難しいと感じる生徒がいる

そもそも男性が苦手という生徒には、女性の先生に助けてもらいながら対応しています。まだまだ修行中なので、うまくいかないことは多々あります。毎回反省し、その経験を次にどう活かすか考える日々です。強く、はっきりと言わないとわからない生徒もいるので、対応の方法は生徒一人ひとり変えるようにしています。だからこそ、生徒とのコミュニケーションを大切にし、面談のときにその時のことを一緒に振り返り、理解されているかを確認するようにしています。

一定数、僕のことが苦手な生徒はいます。なるべくかかわらないようにされていると感じることもあります。そのような生徒には、どこまで僕の考え、想いが伝わっているのかわからないことが多いので、今でも難しいと感じることの一つです。

これから女子高に移る若手の先生へ

私立の場合、建学の精神に基づいて教育がなされるので、共学であれ女子高であれ、学校の生徒の質や雰囲気はかなり違います。元気のいい女子が集まっている女子高もあれば、男子生徒が苦手だから女子高を選ぶ生徒もいます。大半が大人しく素直な生徒が集まっている学校もあります。まずはその学校に慣れること。そして、それまでのやり方や考え方に固執することなく、その学校に柔軟に対応することを意識することだと思います。

生徒は敵ではないので、とにかくどんなことでも生徒と一緒に楽しめばいいと思います。どれだけ生徒とのかかわりに時間を費やすか。自分のことを見てくれている、と感じさせることも大切だと思います。

男子生徒に負けないよう、虚勢を張っていた前の学校

前の学校で男子生徒に怒鳴っていた頃のことを、今にして思えば、僕は虚勢を張っていたのだと思います。男子生徒に負けないように、自分を強く見せるために、乱暴な言葉遣いで大きな声を出していました。当時はそれが正しいと思っていましたが、生徒に見透かされていたことも多々あったと思います。

女子高に来て1年目は、生徒との距離を縮めたいと思っていて、自分としてはフレンドリーに接していたつもりでした。ところが時折、大きな声を出してしまっていたので、怖がられていました。フレンドリーでいたいという気持ちと、実際に伝わっている印象が、まったく一致していなかったのです。

ポイント

同じ「担任」という仕事でも、学校が変われば生徒への接し方はゼロから作り直すことになる。それを実感した13年でした。今も、まだまだ日々研鑽を積んでいる最中です。

まとめ

女子高に移って戸惑ったのは、担任としての方針そのものより先に、生徒への接し方の壁でした。日誌の一言に声を荒げてしまったこともあります。その気づきから10年をかけて、理論的に、そしてポジティブな言葉で伝えることを意識するようになりました。今は「〇〇さん」と呼び、お願いする意識で、根拠を添えて伝えることを心がけています。それでも男性が苦手な生徒への対応など、今も難しいと感じることはあります。

まとめポイント

  • 日誌の一言に大人げなく声を荒げてしまったことがある
  • 10年かけて、そもそも怒る必要がないことに気づいた
  • 今は「〇〇さん」と呼び、お願いする意識で根拠を添えて伝えている
  • 男性が苦手な生徒への対応など、今も難しいと感じることはある
  • 女子高に移る若手の先生には「その学校に柔軟に対応すること」を伝えたい

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