「わからない」が積み重なると「訳わからない」になる、という話

「わからない」が積み重なると「訳わからない」になる、という話 数学の教え方
※この記事は、僕自身の教員生活での体験をもとに書いています。

数学が苦手な生徒には、ある共通した流れがあると感じています。特定の誰か一人の話というより、21年間、数学が苦手な生徒たちを見てきて気づいたことです。

この記事でわかること

  • 数学が苦手になっていく生徒に共通する流れ
  • 質問できるようになる生徒の変化と、高校1年生に伝えている話
  • 「根本的なことから説明する」を、実際の問題で説明するとどうなるか
  • 説明がうまくいかなかったときの考え方

なんとなく覚えてやっていた生徒たち

中学まで、なんとなくやっていて、よくわからないけど覚えてやっていた。そういう生徒は少なくありません。できる限り、理屈を理解できるように授業をしているつもりですが、なぜだか理由がわかったことをきっかけに、数学を頑張り始める生徒はいます。

「わからない」が積み重なると「訳わからない」になる

わからないから、問題が解けなくなる。問題が解けないと、やる気がなくなる。やる気がないから、数学から遠のいていく。問題を解かないから、ますますわからなくなる。そうして苦手意識をもつ生徒が多いと感じています。

だから生徒には、とにかくやってみよう、わからないことは友達でも先生でも親でも兄弟でも、誰でもいいから質問しようと伝えています。わからないを積み重ねると訳わからないになるので、疑問が生じたら、聞きやすい人にできるだけ早く質問しようと言い続けています。

「先生に慣れたから」質問できるようになる

「わからない」と言えなかった生徒が質問できるようになるのは、僕に慣れてきた、数学をがんばろうと思ってきた、ということだと思います。中学までは数学がよくわからなかったけれど、高校から数学にちゃんと向き合ってみたら、わかった、を実感できたのだと思います。それをきっかけにがんばり始める生徒はいるのではないかと感じています。生徒に直接確認したわけではないので、確実ではありません。高校になったから、気分一新、がんばってみようと思う生徒もいると思います。

高校1年生の最初の授業では、こんな話をしています。指定校推薦で希望の大学を勝ち取るためには、できるだけ評定が高いほうがいい。中学は学力差がとても大きく、5段階評価で5を取ることは難しかったかもしれない。でも高校は同じような学力の生徒が集まっているのだから、周りよりもがんばれば5を取れるチャンスは中学よりも多い。だからがんばれ、という話です。

根本的なことから説明する、というのは具体的にこういうことです

とにかく根本的なことから説明するようにしています。何がわからないのか、どこがわからないのかを聞き取りながら、わからないところから時間をかけて説明します。たとえば2次方程式で、x²-x-6=0を解くとき、因数分解して(x-3)(x+2)=0、答えはx=3、-2となります。ここで「なぜ因数分解からx=3、-2となるのか」「そもそも、なぜ因数分解したらxの値が出てくるのか」というところから説明します。

因数分解は、2つのものの掛け算の形にするためにしています。2つのものをかけてゼロになるということは、どちらか、もしくは両方ともゼロであるということです。つまりx-3=0、またはx+2=0。だからx=3、x=-2になる。答えの出し方だけを覚えるのではなく、なぜその手順で答えが出るのかを、一段階ずつ確認しながら説明するようにしています。

自分の説明が伝わらないとき、大事にしていること

逆に、自分の教え方がうまくいかなかったと感じるのは、授業準備が十分でなく、思い通りの授業ができなかったときです。それに、自分の説明の言葉が分かりにくいと感じる生徒もいると思います。だから、自分にとって聞きやすい、わかりやすいと感じる人に聞けばいい、と生徒には伝えています。あくまでも目的は「自分が理解すること」だからです。僕に気を使うことなく、自分が聞きたいと思う人に聞けばいいと思っています。

それでも、説明が分かりやすいと言ってくれる生徒はいます。いろいろな知識や解き方をつなげるような説明も心がけています。

ポイント

やってみたらできた、という経験をした生徒が、頑張っている姿を見ることがあります。最初の一歩を後押しすることが、苦手意識を断ち切るきっかけになると感じています。

まとめ

数学が苦手になっていく流れには、わからない、解けない、やる気がなくなる、遠のく、という悪循環があります。だからこそ、疑問をためこまず、早く誰かに聞くことを伝え続けています。因数分解のように、答えの出し方だけでなく「なぜそうなるのか」を根本から説明することも、大事にしていることのひとつです。

まとめポイント

  • 理屈が分かったことをきっかけに頑張り始める生徒がいる
  • わからない→解けない→やる気がなくなるという悪循環がある
  • 高校1年生には、指定校推薦の評定の話をして「がんばれ」と伝えている
  • 因数分解のように、答えの手順だけでなく「なぜそうなるか」を根本から説明している

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