2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪が閉幕しましたね。連日の熱戦に胸を熱くし、寝不足のまま仕事や学校へ向かった方も多いのではないでしょうか。
スキーとスノーボードを始めて30年になる私は、人生の半分以上を雪山で過ごしてきました。氷点下20度のリフトで凍えたり、猛吹雪で前が見えないホワイトアウトを経験したり。
冬の厳しさを身をもって知っているからこそ、今大会のアスリートたちが放つ輝きには、単なるスポーツ以上の感動を覚えました。
そんな中、閉会式の真っ最中にSNSで世界中をざわつかせた、ある「バズり事件」をご存じでしょうか。
一見、競技とは無関係に見えるその行動に、実は現代を生き抜くための大切なヒントが隠されていたのです。
スポーツライターとして30年、ストイックな選手たちを間近で見てきた私にとって、この光景は衝撃的であり、同時に希望でもありました。
なぜ30年も雪山にいる私が、一見無関係なカードゲームの話題に感動したのか。その理由を、私なりの視点で紐解いていきたいと思います。
閉会式の主役はカード?アンバー・グレン選手の自由すぎる姿
世界中が注目する閉会式のきらびやかな照明の中、女子フィギュアの金メダリスト、アンバー・グレン選手がバッグから何かを取り出しました。
彼女が真剣な表情で始めたのは、なんと世界的に人気のカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」(世界最古のトレーディングカードゲーム)のパック開封だったのです。
「五輪の閉会式中にカードを開けるなんて優先順位が最高すぎる!」と、世界中のゲーマーから熱い視線が注がれました。
横にいたアイリサ・リュウ選手がその様子を撮影してSNSにアップすると、瞬く間に拡散。彼女がレアカードを引き当てて大喜びする姿は、金メダルを獲ったときと同じくらい輝いて見えました。
私が30年前にスキー場へ通い始めたころ、スポーツ選手は「競技一筋でストイックであること」が絶対の正義でした。ウェアや道具以外に興味を持つことは、どこか不真面目だと捉えられる空気さえあったんです。
でも今は、五輪の頂点に立つ選手が自分の「オタクな一面」を堂々と世界に見せ、それが自分らしさとして称賛される。なんて素敵な時代になったんだろうと、同じ雪山を愛する者として胸が熱くなりました。
(参考:ハフポスト日本版:アンバー・グレン、閉会式で開封した袋の中身に注目集まる。)
趣味はメンタルを守るための大切な避難所
アンバー・グレン選手は、以前のインタビューでこんなことを語っています。「スケート以外の自分を忘れないことが、メンタルを守るためにとても重要なんだ」と。
彼女にとってカードゲームは単なる遊びではなく、極限のプレッシャーがかかる五輪という舞台で、自分を一人の人間に戻してくれる大切な場所。
彼女の愛犬の名前も、ゲームのカードから取って「ウキ」と名付けるほどの熱量です。これ、雪山で30年過ごしてきた私には痛いほどよく分かります。
私も現役で滑っていた若いころ、負けられないプレッシャーで押し潰されそうになったことが何度もありました。
そんなとき私を救ってくれたのは、意外にもゲレンデでの練習ではなく、ロッジの片隅で仲間と遊んだボードゲームや、趣味の読書でした。
(参照:Kotaku(海外メディア):金メダリストがカード開封に夢中になった理由(英語))
競技以外の「居場所」を持っている人は、一度の失敗で心がポッキリ折れることがありません。アンバー選手が見せてくれた「趣味と競技のいい関係」は、毎日を忙しく生きる私たちにとっても、心を健やかに保つための最高のお手本になります。
好きなものを好きと言える強さが生む最高のパフォーマンス
30年前のスポーツ界では、自分の趣味や「普通の人としての顔」を出すことは、どこか弱さを見せることだと思われていた気がします。
でも、今大会のアンバー選手やアイリサ選手を見ていると、好きなものを全力で楽しみ、それを隠さない姿こそが、氷の上での本当の強さにつながっていると感じます。
公式情報の「Team USA 公式プロフィール」によると、アンバー選手は、自分が「オタク(Nerd)」であることを誇りに思い、それを公表することで、同じような趣味を持つ世界中の人々に勇気を与えました。
「自分らしくあることが、一番のパフォーマンスを引き出す」。それを彼女は、閉会式のパック開封という、最高にチャーミングな形で証明してくれたのです。
(公式情報:Team USA 公式プロフィール:アンバー・グレン(英語))
■ メンタルを守る「自分だけの避難所」の例
・競技や仕事とは全く無関係な「趣味」を持つこと
・好きなキャラクターや「推し」のグッズを身に付ける
・プレッシャーを感じた時に「一人の自分」に戻れる時間を作る
※アンバー選手にとってのカードゲームが、まさにこれに当たります。
まとめ
五輪の閉会式で見せた、アンバー・グレン選手のカード開封。それは単なる面白いニュースではなく、自分らしさを貫くことの素晴らしさを教えてくれる瞬間でした。
30年前の雪山では想像もできなかったような、自由で多様な楽しみ方が、今のスポーツ界には広がっています。
アンバー選手のように、自分の好きなものを大切にしながら、目標に向かって突き進む。そんな「欲張りな生き方」が、これからのスタンダードになっていくのかもしれません。
あなたは、仕事や勉強のプレッシャーから自分を解放してくれる、大切な「趣味」や「推し」を持っていますか?
(合わせて読みたい:【2026ミラノ五輪】金メダリストも「宿題」に泣く!?マディ・シーザス選手に学ぶ、現代アスリートの意外な苦労)


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