2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪で、再び世界の頂点に立ったアイリーン・グー選手。フリースタイルスキーのビッグエア、ハーフパイプで圧倒的な存在感を示した彼女は、競技の天才であるだけでなく、精神的な強さでも群を抜いていた。そんな彼女が実践していると明かしたのが「日記術」だ。試合前夜に自分の気持ちを書き留め、勝っても負けても必ず記録をつけるという習慣。スノーボード30年のシーサーとして、この話を聞いたとき、30年前の自分に処方箋を渡したい気持ちになった。あの頃の私は、「根性さえあれば何でもできる」と信じていた。滑れない日も無理に滑り続け、怪我をして、メンタルが限界になっても気合いで乗り越えようとしていた。アイリーン選手の日記術は、そんな私への静かな反省を呼び起こす。
アイリーン・グー選手が実践する「日記術」の中身
アイリーン・グー選手が語った日記術は、単なる「今日の出来事を書く」という日記とは少し違う。彼女が意識しているのは、試合前の自分の心理状態、競技中に感じたことの言語化、そして結果に対する自己評価の客観視だ。「感情を言葉にすることで、自分の本当の状態が分かる」と彼女は語っている。緊張しているのか、集中できているのか、恐れているのか、ワクワクしているのか——感情を書き出すことで、パフォーマンスに影響する心理状態をコントロールしやすくなるという。さらに、試合後の日記も欠かさない。「なぜうまくいったのか」「何が原因でミスが出たのか」を言語化することで、次の試合への学びに変える。これはスポーツ心理学でいう「振り返り学習」に近い手法で、トップアスリートの多くが何らかの形で取り入れている。アイリーン選手はそれを、日記という日常的なツールで丁寧に実践している。
「根性論」でボロボロだった30年前の自分への反省
私がスノーボードを始めた頃の日本のスポーツ文化は、とにかく「根性」が全てだった。「苦しくても続ければいつか必ず報われる」「弱音を吐くな」「痛くても滑れ」——そういう言葉が当たり前に飛び交っていた。スノーボードは比較的自由なカルチャーのスポーツだと思っていたが、それでも私の中には「根性でやり切る」という信念が強く根付いていた。今になって振り返ると、その姿勢がかえって上達を妨げていた時期があったと思う。疲労を無視して滑り続けて身体を壊したり、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら「気合いで乗り越えよう」としたり。メンタルの状態を意識的にコントロールするという発想が、当時の私にはなかった。アイリーン選手の日記術を知ったとき、「30年前にこれを知っていたら」と思わずにいられなかった。感情を言語化し、自分の状態を客観視する。それだけで、スポーツとの向き合い方はずっと豊かになる。
日記術から学ぶ、自分と向き合う習慣の作り方
アイリーン・グー選手の日記術は、スポーツ選手だけに有効な手法ではない。仕事、勉強、人間関係——何かに向き合うすべての人にとって、「自分の感情を言語化する」習慣は大きな力になる。毎日書かなくてもいい。大切な場面の前後に、ほんの数行でもいい。「今の自分はどんな状態か」「何を恐れているのか」「何をわくわくしているのか」を書き出すだけで、思考が整理され、次の行動が明確になる。私も今では、シーズン前に自分の目標と状態を書き留める習慣を持つようにしている。以前より滑走が楽しくなり、怪我も減った気がしている。アイリーン選手から学んだわけではないが、同じ方向に向かっていたのかもしれない。あなたは何かに挑戦するとき、自分の気持ちを記録する習慣を持っていますか?ぜひコメントで教えてください。スポーツを通じて自分を知ることの面白さを、これからも発信していきたい。

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