スノーボードを追い続けて30年。日本のスキー場は「滑る場所」から、すべてを「楽しむ」有意義な時間を過ごすことができる場所に進化していることが、心が躍ります。
今、SNSのタイムラインで「#ゲレンデ飯」というタグが、かつてないほど盛り上がっています。特に話題なのが、ニセコなどのリゾート地で提供される「3000円のカツカレー」です。「高すぎる!」という声もありますが、実はこの価格には、驚くべき「攻めの戦略」が隠されています。
Yahoo!ニュースでも報じられた通り、3000円のカツカレーを売っても、お店に残る利益はわずか180円ほどだといいます。人件費や家賃、そして「最高のおもてなし」を維持するためのコスト。この数字の裏側を知ると、30年前とは全く違う雪山の姿が見えてくるのです。
(出典:Yahoo!ニュース:3000円のカツカレーから見える攻めの戦略)
30年前、食事はただの「ガソリン補給」だった
私がスノーボードを始めた30年前、スキー場の食事は今とは正反対でした。
当時の定番は、袋から出しただけの「レトルトカレー」や、麺がのびきった「醤油ラーメン」。正直、味を期待する人はおらず、冷え切った体を温めるための、ただの「エネルギー補給」でした。
吹雪の中、感覚がなくなった指先でプラスチックのスプーンを持ち、冷えかけたカレーを急いで口に運ぶ。
ストーブの前で濡れた手袋を乾かしながら、無言でかき込む。そんなストイックで少し寂しい時間が当たり前だった時代を思うと、今の「価値で勝負する」ゲレンデ飯は、まさに異次元の進化です。
3000円という価格に宿る「おもてなしの心」
なぜ今、これほど高価な食事が支持されているのでしょうか? それは、世界のVIPが求める「安さではなく、パーソナルな体験」に応えるためです。
3000円のカレーを支えるのは、時給3000円を払って集められたプロのスタッフや、AIレジによる待ち時間の短縮。
かつての「とりあえずお腹を満たす場所」から、「一生の思い出を作る体験」へと、雪山の価値観が180度変わったのです。
30年前の孤独な食事を知る私には、シェフが目の前で腕を振るい、スタッフが笑顔で迎えてくれる今の光景が、本当に誇らしく、そして美しく見えます。
30年選手の私が教える「本当に胃袋を掴む」楽しみ方
今のゲレンデ飯を楽しむコツは、あえて「滑らない時間」を贅沢(ぜいたく)に作ることです。
30年前は、1分でも長く滑ることが正義だと思っていました。足の痛みも空腹も我慢して、リフトが止まるまで滑り続ける。それが「カッコいい」と信じていたんです。
でも今は、お昼休みに地元の食材にこだわった料理を味わい、その背景にある「攻めの戦略」に思いを馳せる。この「心の余裕」こそが、大人のスノーボードの醍醐味(だいごみ)です。
一生懸命滑った後に、青空の下で最高の料理を味わう。それは、30年前の自分に「続けていれば、こんな豊かな未来が待ってるよ」と教えてあげたいほどの幸せです。
まとめ:雪山は「価値」で一つになる
「冷めたカレー」から「戦略的な3000円カレー」へ。スキー場が30年かけて遂げた進化は、私たちの雪山での過ごし方を、より自由で誇らしいものにしてくれました。
SNSで流れてくる写真は、単なる贅沢ではなく、日本の雪山が「世界一」を目指して戦っている証拠です。
今週末は、板を脱いで、ゆっくりとテーブルについてみませんか? そこには、30年前には想像もできなかった「未来の味」が待っています。


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