「親のウェア」が最強?30年選手の私が、ミラノの流行に震えた理由

レトロがトレンド? 五輪コラム

スノーボードを追い続けて30年。2026年3月、ミラノの街とゲレンデで、私は「過去」と「未来」が完璧に混ざり合う、不思議な光景を目撃しました。

今、インスタグラムやTikTokで「#RetroFuture(レトロ・フューチャー)」という言葉と共に、爆発的にバズっているスタイルがあります。

それは、1990年代のド派手なネオンカラーや、ダボダボのシルエットをした「超レトロなウェア」です。

でも、ただの古着ではありません。見た目は30年前の「親世代」のウェアなのに、中身は最新の「超薄型ナノ加熱ヒーター」などが組み込まれた、ハイテク装備なのです。

(参照:「ナノ技術が変える次世代スノーウェアの防寒性能」デサント テクノロジーレポート

30年前、ウェアは「ただの重い布」だった

私がボードを始めた30年前、ウェアは今では考えられないほど重くて、ゴワゴワしていました。吹雪(ふぶき)になれば水が染み込み、一度濡れたら氷のように冷たい。

「寒さに耐えるのが修行」と言わんばかりの、根性(こんじょう)の世界だったのです。当時の私にとって、ウェアは「身を守るための鎧(よろい)」。

今の若者のように、おしゃべりを楽しみながら「スマートに滑る」なんて余裕(よゆう)は1ミリもありませんでした。

【比較】30年でここまで変わった!ウェアの進化

特徴 30年前(1990年代) 現在(2026年)
見た目 派手なネオン、ダボダボ この「レトロ」が今、大流行!
重さ 重くてゴワゴワ、動きにくい 超軽量、ストレッチで動き放題
防寒性 厚手の生地で「寒さに耐える」 内蔵ヒーターで「温度調節」
機能 防水のみ(性能は低い) スマホ連携、自動調光レンズ

30年選手の私が震えた「見た目レトロ、中身サイボーグ」

2026年のミラノ。SNSでバズっている若者たちの姿を見て、私の30年の常識はひっくり返りました。

見た目は、私が昔着ていたような懐(なつか)かしいピンクやイエローのウェア。なのに、彼らはその薄い布一枚で、-20°Cの雪山を「全然寒くない!」と笑いながら滑っています。

30年滑ってきた私だから分かります。あの頃、私たちが凍(こご)えながら追い求めた「理想の暖かさ」が、今はスマホで操れる「ナノ繊維(せんい)」として完成している。

「不便さ」という思い出を残したまま、「快適さ」だけを詰め込んだその進化に、私は心の底から感動して震えました。

「ダサい」が「最高にかっこいい」に変わる瞬間

SNSには、親の古いウェアを引っ張り出してきた若者たちの声があふれています。「パパの30年前のウェアに、最新のヒーターを貼ったら最強になった!」「レトロな色が、雪山で一番映(ば)える」

30年前、私たちは「最新のシュッとしたデザイン」こそが正解だと思っていました。でも2026年の今、若者たちは「家族の歴史」をまといながら、テクノロジーを賢(かしこ)く使いこなしています。

「古いものを捨てるのではなく、最新の技術で蘇(よみがえ)らせる」。そんな優しくてクールな考え方が、今の雪山のスタンダードになっているのです。

(参照:【雪山スナップ】ゲレンデのおしゃれ番長は君だ! 80年代風カラフルウェアから古着まで

結び:30年滑って、やっと見えた「本当の景色」

かつての私は、新しい道具が出るたびに「昔はもっと大変だったんだぞ」なんて、少し寂(さび)しい気持ちで見ていました。

でも、ミラノでレトロなウェアを最新の笑顔で着こなす若者たちを見て、ようやく気づいたんです。時代は巡(めぐ)り、価値観は新しく塗り替えられていく。

でも、雪山を愛する情熱や、あの鮮(あざ)やかなカラーにワクワクする気持ちは、30年前も今も、何一つ変わっていないのだと。

「古いからダメ」ではなく、「古いからこそ、新しい可能性がある」。そう思えたとき、私の30年の経験も、また新しい輝きを放ち始めました。

2026年の雪原は、新旧すべての情熱を飲み込んで、今日も最高にカラフルに輝いています。

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