りくりゅう「絶望からの金メダル」30年選手の私が、ミラノで涙した理由

やった!! 五輪コラム

フィギュアスケートを追い続けて30年。20263月、私はこれまでのペアの歴史を根底から変える、最高に美しくて、泥臭いドラマを目撃し、涙が自然とあふれ出てくるのを感じました。

今、インスタグラムやTikTokで「#りくりゅう金メダル」という言葉が、世界中でトレンド入りしています。

それは、ショートプログラム(SP)でミスが重なり、まさかの5位に沈んだ二人が、フリーで世界歴代最高得点を叩き出し、逆転で頂点に立った瞬間です。

(出典:読売新聞オンライン(2026年2月17日)「フィギュア『りくりゅう』大逆転の金、ペアフリー世界歴代最高」

(参照:Olympics.com 公式レポート「ミラノ・コルティナ2026 フィギュアスケート ペア結果」

でも、話題になっているのはスコアだけではありません。 演技が終わったあと、リンクに座り込んで泣きじゃくる木原選手を、三浦選手がそっと抱きしめた「あのハグ」。 この動画が、今この瞬間も世界中で再生され続けています。

30年前、ペアは「個人の技」の足し算だった

私がスケートを見始めた30年前、ペア競技は「いかに男性が女性を高く投げ、ミスなく着地させるか」という、技術の発表会のようなものでした。

もちろん絆(きずな)は大切でしたが、どこか「男性がリードし、女性がそれに合わせる」という役割分担がはっきりしていました。

氷の冷たさに耐えながら、歯を食いしばって滑る。 当時の私にとって、ペアは「完璧(かんぺき)を目指す格闘技」のように見えていたのです。

【比較】30年で「ペアの形」はここまで変わった!

特徴 30年前(1990年代) 現在(2026年)
関係性 男性が主導、女性が従う 完全な「対等」。支え合う絆
表現力 優雅(ゆうが)であることが絶対 泥臭いまでの「人間らしさ」
ミスへの反応 完璧を求め、硬くなる ミスさえも「物語」に変える強さ
ファンの反応 技術の高さに拍手 二人の「物語」に世界が涙

30年選手の私が震えた「ジップロックの魔法」

今回、SNSで一番「エモすぎる」と拡散されている裏話があります。 それは、SPでリフトに失敗し、自分を責めて泣き続けていた木原選手へ、三浦選手が贈った「内緒のメッセージ」です。

三浦選手は、木原選手が愛用しているジップロック(小物入れ)に、こっそりこう書いていました。 「私たちなら、絶対できる」

30年この世界を見てきましたが、こんなに素朴(そぼく)で、それでいて力強い言葉を見たことがありません。 高級なプレゼントでも、派手な言葉でもない。 毎日一緒に練習してきた二人にしか分からない「信頼の証(あかし)」が、あの金メダルを引き寄せたのです。

(出典:THE ANSWER(2026年2月25日)「木原を泣かせたジップロック、三浦が書いていたメッセージ」

「全力の笑顔」が、世界を救う時代

さらに閉会式後、SNSを感動の渦に巻き込んだのが、二人の「最高の笑顔」です。

木原選手が三浦選手を軽々と持ち上げ、リンクを駆け回る姿。 その動画には「これこそがスポーツの光だ」「見ているだけで幸せになれる」というコメントが数万件も寄せられています。

30年前の私なら、「もっと優雅に滑りなさい」なんて思ったかもしれません。 でも2026年の今、二人の「全力の楽しさ」は、技術を超えて世界中の人の心を癒(い)やす力を持っていました。

結び:30年見てきて、ようやく出会えた「究極の形」

かつての私は、完璧なジャンプや、一糸乱(いっしだれ)ぬスピンこそがフィギュアの頂点だと思っていました。 でも、ミラノで「りくりゅう」が見せてくれたのは、もっと温かくて、人間味にあふれた絆の力でした。

「一人じゃないから、何度でも立ち上がれる」

30年という長い月日を経て、私は今日、スポーツの枠を超えた「信じ合う力」の凄(すご)さを教わった気がします。 2026年の氷の上には、数字では測れない「魔法」が確かにかかっていました。

(合わせて読みたい:「親のウェア」が最強?30年選手の私が、ミラノの流行に震えた理由

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