2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪が閉幕し、メダリストたちがSNSに投稿する喜びの声に癒やされる毎日です。しかし今、ちょっと気になるニュースが流れてきました。
フィギュアスケートの金メダリスト、アリサ・リュウ選手が「祝うときに飛び跳ねたら、金メダルがリボンから落ちてしまった」と動画を投稿。
他にも、バイアスロンの選手などから同様の報告が相次ぎ、大会組織委員会が謝罪と「全品修理・交換」を発表する事態になっています。一生の宝物が壊れるなんて、普通なら「不良品だ!」と怒りたくなるところ。
でも、30年、雪山の道具の進化と環境の変化を見続けてきた私から見れば、この不具合は単なる『手抜き』には見えないのです。
アリサ・リュウ選手の「壊れたメダルの方が好き」という本音
今回の騒動で私が一番心を動かされたのは、アリサ・リュウ選手の後日談です。アリサ・リュウ選手が自身のInstagramに投稿した動画によれば、実は「リボンが外れて、傷がついたメダルのほうが個性的で気に入っていた」そうなんです。
委員会に「このまま持ち帰っちゃダメ?」と交渉したものの、答えは「NO」。安全と品質基準のために強制的に回収されてしまったというエピソードは、SNSでも「彼女らしくて素敵!」と話題になりました。
私が30年前にスキーを始めたころのスポーツ用品は、とにかく「頑丈で壊れないこと」が正義でした。でも、今の選手たちは「壊れたことも含めて自分の物語」として受け入れる、しなやかな感性を持っています。
道具を「完璧なもの」として扱うのではなく、自分と一緒に戦った「相棒」として愛でる。そんな彼女たちの姿に、新しい時代のスポーツの楽しみ方を感じました。
なぜ最新のメダルは「弱く」なったのか?素材の知られざる裏側
ミラノ五輪組織委員会が公式に「リボンの接合部の設計ミス」を認めていますが、最近の五輪メダルがデリケートになったのには、徹底した「サステナブル(持続可能性)」への挑戦という背景があります。
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接着剤のジレンマ: 環境を汚さないエコな接着剤は、従来の強力な化学物質に比べると、どうしても熱や湿気に弱く、接着力が控えめになります。
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再生素材の特性: 100%再生ポリエステルで作られたリボンは地球に最高に優しいですが、強靭なナイロンに比べると、金具との摩擦に少し弱い一面があります。
これ、最近の高機能なアウトドアウェアにも似ているんです。最新の「環境に優しいウェア」は、昔のものより撥水力が落ちるのが早かったりします。
でも、それは山に有害な物質を流さないための、あえての選択。メダルの不具合も、そんな「地球への思いやり」から生まれた副作用なのかもしれません。
ちなみに、パリ五輪でも100個以上のメダルが「塗装剥げ」で交換されましたが、その原因も「環境配慮型のニスの品質問題」だったと言われています。
「壊れるメダル」が守っている、100年後のパウダースノー
メダルが壊れたニュースを聞いて、「もっとしっかり作ればいいのに」と思うのは簡単です。でも、30年雪山を見てきた私には、どうしても守りたい景色があります。
それは、100年後の子供たちも、今と同じパウダースノーの上を滑れる世界です。私が30年前に滑っていたコースのいくつかは、温暖化の影響で雪が積もらなくなり、すでに閉鎖されてしまいました。
その光景を目の当たりにしているからこそ、たとえメダルが少し壊れやすくても、環境に負荷をかけない素材を選ぼうとする五輪の姿勢を、私は支持したいのです。
技術不足で壊れたのなら改善が必要ですが、「地球のためにデリケートな素材を選んだ結果」だとしたら。それは、不具合という名の「地球を守った勲章」ではないでしょうか。
まとめ
ミラノ五輪のメダル破損問題は、私たちに「本当の豊かさとは何か」を問いかけています。完璧に頑丈で地球を汚し続けるものより、少し繊細だけれど地球と共生できるもの。
アリサ・リュウ選手が壊れたメダルを「愛着があるからそのままでいい」と言ったように、私たちも「完璧さ」より「背景にある物語」を大切にする時期に来ているのかもしれません。
雪山を知り尽くした私から見れば、壊れたメダルを修理しながら大切にする姿こそ、これからの時代のスポーツのあり方に見えます。
あなたは、今回の「壊れやすいけれど地球に優しいメダル」を、どう思いますか?
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